漫画を濃くレビュー・感想・考察

『げんしけん』の感想・レビュー

      2018/12/27

オタサークルのgdgdな日常、時々リア充

■巻数

既刊18巻 (10巻から二代目)

■ 作者

木尾士目

■紹介

、ふとオタな絵を展示している『現代視覚文化研究会』(げんしけん)なるサークルを発見。それから流れで入会することに。そこは他のオタサークルからの溢れ者の集まりで、たいした活動もない暇つぶしサークルであった・・・。

■感想

ここまでの説明だと抑揚がなくてつまらなそうな話だが、意外と面白いげんしけん。このgdgdっぷりがいかにも大学のサークルらしい。主要登場人物は4~5人だが、げんしけん会員はそれぞれゲーム、アニメ、コスプレ、プラモ等特定の分野のオタクで、その分野を超えたサークルがげんしけん。 物語の前半はオタクの日常や趣味・思考などの話がメインだが、徐々に話はラブコメへシフト。どこぞの掲示板の書き込みで見たけど、げんしけんの連中はオタクの中でもリア充オタクらしい(笑)

こんなグダグダののほほんラブコメ漫画がなぜ面白いのかというと、やはり『春日部 咲』の存在が大きい。咲は濃いオタク達の中で完全非オタな一般人。しかも美人で、ファッションセンスもクールでカッコイイ。でも性格が(言葉も)きつい!なんとリアルな女性像(笑)。彼氏がディープなオタクであるが故にオタクの世界に足を踏み込んでしまったという設定だが、彼女の存在が、非オタクの一般人読者とを結びつける役割を担っている。ですから、オタク側からと非オタク側からの両方の視点で読むことができる。

オタクを題材にした漫画は「色々な漫画やアニメのパロディで笑わせる」ことを主たる目的にしている物が多く、一部のコアなファン以外は取っつき辛い内容になっている。ところが、げんしけんは(確かにコアな内容もあることはあるので、全くの一般人だと少々辛いかもしれないが)漫画は普通に読む程度の人であれば、「面白い漫画」として十分楽しむことができる。 オタ要素を抜かしても、大学時代のサークル生活を懐かしく思い出すことができるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■こんな人におすすめ・・・

  • 軽い気持ちで読める漫画が良い(重い内容はほぼなし)
  • オタクの日常が知りたい
  • 大学生活を思い出して懐かしさに浸りたい
  • コミケについて知りたい
  • 甘酸っぱい片想いが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ここからネタバレ含むレビュー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は漫画はよく読むが、オタクではない・・・。アニメはあまり見ないし、コミケも行ったことがないし、コスプレもしたことない。なのでたまに出てくるパロディや小ネタはわからないものが多い。でもこの漫画は一時期どっぷりはまって読んだ。オタクがメインの漫画って、どうしても『一部のコアなファン』だけをターゲットにしている感じがして、あまり好きになれなかったが、上でも書いた通り、げんしけんは非オタでも十分楽しめますから、作者オタク目線と一般人目線を分けて書くのが上手いのだろう。 主人公は一応笹原だけど、途中から班目の存在感がすごい。最初は良くいる(ちょっとウザい)単なるガンオタみたいな位置づけでだったが、咲ちゃんに恋愛感情を抱き始めた頃から、彼が大人に成長していく様が描かれていく。

げんしけん


鼻毛出てるヒロインは確かにいない・・・。

この鼻毛のシーンは上手いな~と思って読んだ。咲はオタクが見てるアニメのヒロインには絶対いないタイプ。しかも鼻毛出ちゃうなんて・・・。でもそれがリアル。上目遣いのぱっちりお目目でかわいく見つめてくれる2次元の女の子ではなく、目の前で鼻毛を出してタルそうにしている女の子に惹かれてしまった時から、オタ文化への興味が徐々になくなっていく。咲ちゃんに恋して振られた経験は彼にとって得難い経験だったのだろう。ある意味人生のターニングポイントだったのかもしれない。

げんしけん

げんしけん

この姿に惚れた斑目。咲の表情と「なはははは」という言葉が上手いw


げんしけん
誰よりもカンが鋭い咲ちゃんはやはりすべてお見通しだった・・・

げんしけん
振られる班目。誠実な咲。

咲ねえさんカッチョエエ。同性でも惚れるわ。

班目が振られるのは続編となる2代目の中で、私の中では一度9巻で終わってたから、続編が書かれるのはそこまで賛成ではなかったんだけど、、、班目が振られて読んでるこっちもスッキリしたから良かったのかも。今、班目のモテキが来てるけど、結局どれも不発に終わりそ~。最後は幸せになってほしいな。 それと並行して話が進んだのは笹原x荻上の恋愛話。コミフェス出品あたりから急に主人公としての存在感を取り戻した笹原だけど、荻上との一進一退の攻防戦もよかった。オタク同士の恋愛ってお互い慣れていない感じがして、ピュアな気持ちになれた(笑)

げんしけん

女オタクが抱える苦悩。身近な人をホモネタにして(*´Д`)ハァハァしちゃうなんて他人に言えない・・・。

荻上の成長ぶりもすごかった。過去のトラウマとサヨナラできて、徐々に心を開くようになれたのも、げんしけんのユルすぎる雰囲気が良かったのかも。 ただ、荻上の登場により、げんしけんが腐女子サークルの方向へ向かっていってしまったのも事実。もうオタクネタが尽きてきて腐女子ネタにシフトしているのかもしれないけれど、げんしけん2代目はどうもあまり好きになれない。班目のとこは良かったんだけど・・・。ハトくんがうざい。スーも微妙。あまりにも恋愛の話にばかりなりすぎているきらいもあり、完全にgdgdしすぎてしまい今は惰性で読んでる。

大野さんのキャラも最初は良かったのですが途中から単なる巨乳コスプレイヤーの読者サービスキャラに・・・。 何気に好きなのは笹原の妹、恵子。咲ほどではないが勘は鋭く他人に気を使える度量の大きさもある。が、たまに空気が読めない時があり、ペラペラっと話してしまったりする所が咲とのキャラの棲み分けが出来ていて良い。オタクの世界と真逆な世界(ギャル)に生きているのに、げんしけんにちょくちょく顔をだしてムードメーカーになっているのがこれまた面白い。二代目では物語においてさらに重要な存在になってもしや班目と・・・と少しは期待したけれど、単なる遊び目的。が、そこも恵子らしい(笑)

 

ざっと語りましたがげんしけんはまだ続行中。今や腐女子サークルと化し、男x女の話題やコミフェス出品がメインになってしまい、収集つかなくなってきている。今後また面白くなるのかなぁ。1代目までは本当によかったのにな。

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