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『イタズラなKiss』感想・レビュー

      2018/12/27

元祖ツンデレ王子と追っかけ女子のドタバタラブコメディ☆

■巻数

全23巻(未完)

■作者

多田かおる

■紹介

主人公相原琴子は成績最下位のクラスF組の女の子。高校三年生になり、一年の時から思い続けていたA組で学年一の秀才にしてイケメンの入江直樹にラブレターを渡す。が、受け取ってもらえずその場で振られてしまう。「頭の悪い女は嫌い」とまで言われ、流石に頭に来た琴子は諦めようと決意する。その夜、新築したばかりの琴子の家が震度2程度の地震で崩壊してしまう。踏んだり蹴ったりの琴子は父と共に父の古くからの友人宅に暫くの間住まわせてもらうことになったが、なんとそこは入江直樹の家であった。

■感想

元祖と書きましたが元祖じゃなかったらすみません。 通称「イタキス」。連載開始は1990年。若干時代を感じる箇所はあるが、かなりコミカルに描かれているのでそこまで古いと感じません(私がアラフォーだからという説も・・・)。おそらく作中の服装や髪型にあまり当時の流行の雰囲気を出さなかったからだと思う。 80年代はチョイ悪男子や優しい王子様系男子が主流だったが、毒舌俺様系の王子は入江直樹が初だったのではないだろうか。「花より男子」の道明寺や花沢類も影響を受けているように思う。 イタキスでは、主人公の琴子がひたすら入江を追いかけるのだが、その追いかけ方も半端無い。持ち前の図々しさと鈍感さを駆使して常に少しでも距離を縮めようと努力する。こう文章で書くとかなりうざったい女を想像されそうだが、どこかヌケてる所がある主人公は可愛くて憎めない。今の世の中、恋愛だけに生きる女は共感され辛いかもしれないが、琴子ほど好きな人一直線に突進していく女の子は逆に気分が良い。

画力は決して高いほうではないがキラキラしてないし、崩した絵が多く、読みやすい。(変に狙っているわけではない)ギャグも多く軽い気持ちで読める。ドロドロもなし。

しかし、物語も佳境に入っていた頃になんと作者が急逝。未完のまま終わってしまった。その後、作者が残していた構想ノート等を基にアニメが作られそこで最終回を見ることができる。アニメは良く出来ていて、恐らく作者があのまま描き続けていたとしてもアニメのような最終回になっていたのではないかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■こんな人におススメ・・・

  • 明るい少女漫画が読みたい
  • 一途な女の子を見たい
  • 軽い気持ちで恋愛漫画を読みたい
  • ツンデレ辛口王子がイイ~
  • 読むと元気になる、気持ちが明るくなる

 

 

 

 

 

 

 

■ここからネタバレ含むレビュー

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーリーとしては在り来たりで特に斬新さはない(当時は斬新だったのかも)。普通の女の子が好きな男の子をひたすら一途に追いかけるだけの話だがなぜここまで人気が出たのだろう。 やはり女子は理想の男性と結ばれたい!のだと思う・・・。てゆーか私も。でも歳を取るにつれて段々と現実が見えてきて自分の身の程を知り、色々と妥協して最後に結婚する人が大半だろう。

入江直樹の様にパーフェクトな男なんてこの世にいねーよ!と声高に叫びながらも、いつまでも夢は見ていたいのだ。てゆーか私も。 大抵の少女漫画では本当の意味での片想いは殆どなく、だいたい最初から相手も主人公の事気になってたり、悪くは無いかなと思ってたりするもの。だから、ハイハイどうせくっつくんでしょ、と斜に構えて読んでしまう。しかし琴子の場合、物語開始時は1%も琴子は好かれていなかった。


いたずらなKiss 痴漢にあってる事に気付いても無視

そこから諦めずに邁進していって最終的に好きな男の子をゲットするなんて、女子としては羨ましすぎる!同時に「良かったね!」と言いたくなるくらい琴子が魅力的だ。本作が好きな女性は皆、入江直樹も琴子もどちらも理想に思うのだろう。 琴子の図々しさや間の抜けたキャラも朗らかとしていて良かった。

いたずらなKiss

勘違いして「まさか私に気があるの?」と言う・・・羨ましいくらいの図々しさ。

主役二人の事ばかり語ってしまったが、周りのキャラもなかなか良かった。金之助も途中まではミジメなキャラで少々同情してしまったが、最後にはハッピーエンドになれた。金之助はギャグ担当的な位置づけだったが、突如真剣にプロポーズをした時に「そういえば金之助も琴子に一途だったなぁ」と急に見直してしまった。ずっと横恋慕キャラで少々同情したこともあったが最後はハッピーエンドで終われたので安堵した。(外国人と結婚するとは思わなかったけど。)

琴子の友達も琴子への良いツッコミ役になっていたし、入江家の人々も個性があり読んでいてホノボノした。みんなノリで生きているような人達の中で直樹が一人常に冷静なのが対照的で面白かった。

恋愛漫画はどうしても付き合うまでが面白くて、いざ付き合ってしまうと後は適当に事件が起こったりするだけの延命措置になってしまう。本作も例外ではなく、付き合うことになった後(というか結婚した後)は若干のダレがあった。新たな横恋慕キャラが出てきて~という事件が起こるわけだが、その事件はこの漫画にはとても重要なエピソード。なぜかというと直樹が(おそらく生まれて)初めて嫉妬の感情に気付いたからである。琴子と付き合うことになって直樹も人間らしく成長したということだろう。

いたずらなKiss

いたずらなKiss

まさかここで終わるとは思わなかった。アニメ版では子どもが生まれて終わりだったけど、無難な終わらせ方だったと思う。作者もあれ以上長く引き伸ばそうとはしていなかったと思う。 素敵な漫画をありがとう。作者のご冥福をお祈りします。

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