漫画を濃くレビュー・感想・考察

『君に届け』(漫画)の感想・レビュー

      2018/12/27

ピュアすぎる恋バナ。でも、それだけ・・・

■巻数

24巻既刊 連載中

■作者

椎名軽穂

■紹介

主人公黒沼爽子は高校一年生。長い黒髪と身に纏う陰気なオーラ?から「貞子」とあだ名をつけられ、クラスメイトから避けられる。実際は純粋で努力家。他人の嫌がる仕事も一手に引き受けるなど、他人の役に立つことに喜びを感じている。一方、爽子とは対照的な存在、風早翔太はクラスの人気者で誰からも好かれるクラスの中心人物。そんな彼だが爽子に対しては他の人とは違い、普通に接する。そんな二人の純愛ラブストーリー。

■感想

近年まれに見る純愛っぷりだ。なんというかとにかくピュア。少女漫画だが恋愛だけではなく、友情ネタもある。主人公だけではなく周りの友人達のそれぞれの恋愛にもフォーカスが当たる。よく言えばとことん青春だが、悪く言えば「それだけ」。

 

 

 

 

 

■こんな人におススメ・・・

  • ドロドロネバネバな話が嫌い
  • 純愛ドラマでピュアな気持ちになりたい(人によってはなれないが)
  • ファンタジーの様な恋愛話が良い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ここからネタバレ含むレビュー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて読んだ時はなぜあんなにブームになったのか謎だった。本作の目新しさは”主人公がキモがられてクラス中から避けられてる”という設定くらいで、他はその辺の恋愛漫画とさほど変わりはない。にもかかわらず本作がもてはやされる最大の理由は「最近の少女マンガの主流と違ってピュアだから」という理由らしいことを後で知った。

話は変わるが、かつて私が子どもの頃、りぼんで ”乙女のバイブル”というキャッチフレーズと共に世の女の子達を虜にした少女漫画があった。『星の瞳のシルエット』(以下、星の瞳)である。主人公の女の子と彼女が好意を持つ男の子(爽やかイケメンのモテ男くん)はなかなか付き合うに至らないのだが、最後にはめでたくくっついて大団円、という単純すぎて逆に気分が良いくらいの恋愛漫画だ。『君に届け』に登場する風早くんは『星の瞳』の久住くんとダブるのは私だけかな。作者は『星の瞳』影響を強く受けているように感じる。『星の瞳』では主人公の女の子はモテモテで、最初から友達もいて学園生活を満喫している点で異なるが、『君に届け』の爽子も結局モテ女子になるので、実はキャラ的に大した差異は無い。

確かに、『星の瞳』が終わった辺りから少女漫画も徐々に変わって行った。新たに始まった漫画の主人公の低年齢化に伴い、りぼんの読者も低年齢化し、もう少し上の世代向けの大人漫画は別の雑誌に移った。『いたずらなKiss』『花より男子』が出て、優しい王子様男子から俺様オラオラ男子が登場するようになった。バブル崩壊後、『NANA』が大流行し、喫煙、飲酒、セックスが当たり前のように登場するようになった。バブルの頃の10代とは違い、世紀末の少女達は自分達の将来に希望を見出せないまま暗澹たる気持ちで漫画を読んでいたのかもしれない(ちなみに私もロストジェネレーション世代)。 そんな冬の時代にぱっと咲いたたんぽぽのように、人々の気持ちをピュアにさせたのがこの漫画なのだろう。 変にドロドロのネタを入れて盛り上げるようなことをせず、純粋に青春ストーリーをブレずに描き続けることができるのも素晴らしい。好き嫌いが分かれる漫画ではあるが、一定数の読者に感動を与えているのだからそれだけで十分に評価できる。

ただし、私は嫌い側の人間。二人が付き合うことになった所で挫折。だいたいいくら「暗い、怖い」と言われていても顔は可愛いじゃん。風早は爽子の内面を好きになった的に書かれているけれど、それでブスだったら付き合わないでしょ(笑)。そこは漫画だから仕方が無いけれど、リアリティなさすぎる。本当に根暗な子は綺麗なストレートヘアになんてしてないし、顔もブスだよ。

君に届け

私の中で”最初だけ盛り上がった漫画”

さすがにもうアラフォーなので、現実的な目線で見てしまうのだと思いまふ・・・。

電子書籍ですぐ読める

 - 恋愛 , , ,