漫画を濃くレビュー・感想・考察

『きみはペット』の感想・レビュー

      2018/12/27

バリキャリクールビューティーの正体は涙もろい寂しがり屋。 そんな彼女に必要なのは癒しの存在だった。

■ 巻数

既刊14巻完結

■ 作者

小川彌生

■ 紹介

※ 小雪&嵐の松潤で過去にドラマ化もされましたがドラマ版は見ていないのであくまでも漫画の紹介です。

巌谷 澄麗は東大卒で大手新聞社に勤めるバリキャリクールビューティー。。高身長・高学歴でキリっとした美形であるがゆえに周りから “とっつきにくそう” ”性格きつそう” 等と誤解をされがちだが実はかなり繊細で傷つきやすく寂しがり屋。そんなスミレだが自分より社会的立場も身長も低い彼氏と婚約までした後に相手から一方的に破棄される。同時期に社内の飲み会で上司を殴ってしまい地味な生活情報部へ左遷されてしまい泣きっ面に蜂状態。そんなイライラが続くある日会社から帰宅するとマンションの前に大きなダンボールが捨てられており、中に若い男が入っていた。その男、合田武志は頭の毛がフワフワしており、かつて飼っていた犬のモモに似ていたことから「ペットとして飼ってあげるけど?」と提案するとあっさりと受け入れた。そこから二人の奇妙な同居生活が始まる。

■ 感想

きみはペットっていうタイトルがなんだか狙った感があって発売から読み始めるまでに結構時間がかかった。物語の読み始めも、「ヒモ男の話なんて読みたくないな~~」と斜に構えながら読んでたし。が、モモは(実質的にはヒモだが・・・)決してヒモとしてスミレと生活しているわけではない。性的な関係もなく、しかもスミレにはすぐに彼氏が出来る。お互いに恋愛感情もなく、あくまでもモモは癒しの存在だ。

高学歴のエリート男性と結婚=勝ち組だけど、高学歴のエリート女性と結婚=男としては負け組 になってしまうのかもしれない。世の中不景気が続いて女性も働かざるを得なくなったけど、やっぱり男はかわいくて従順で自分よりも能力的に劣っていて「俺がいないとだめだなぁ」って守りたくなるような女の子が良いんだよね。でもスミレは世の男性に人気のありそうな女子とは真逆のタイプ。給料もプライドもおまけに身長も高くて周りから少し距離を置かれている。

でも、本人は意外と脆く崩れやすい精神というか、人間関係で嫌なことがあると陰で泣いたり、理不尽なことを言われたりされたりしても何も言い返せなかったり。とーっても人間くさい(笑)勉強も仕事も頑張って来た女性が必ずしも社会に歓迎される存在ではないといった世の矛盾に苦しむ女性はきっと共感できると思う。 画の綺麗さはかなりのレベルですがごちゃごちゃしていないので読みやすく、基本はソフトなギャグ路線なので軽い気持ちで読める。

 

 

 

 

 

 

 

■こんな人にオススメ

働くアラサー女性

結婚、出産、仕事などの周囲の変化に焦り始めた

あまり重い話は読みたくない

カッコイイ女の話が読みたい

不器用な恋愛

癒されたい

ドロドロな修羅場なし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ここからネタバレ含むレビュー↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は表紙で判断して「バカ女とヒモ男の話かよ!」とかなり警戒したが、全然そんなんではなかった。スミレはかなり人間らしくて良い味出してるキャラ。本当は気が弱くて、恋愛に不器用で、気取ってるつもりもないのにその見た目のおかげで周囲から勝手に人間性を判断されたり、コンプレックスを抱かれたり・・・。でも言い返せない。気の弱い女。結婚するつもりで買った広いマンションに毎日一人で帰ってきたらそりゃ寂しいよ。たとえ家事をしてくれなくても、自分のことすらまともにできなくても、ただ笑顔で「おかえり~、寂しかった~」と言ってくれる存在がいたらそれだけで毎日仕事頑張れるってなんか理解できる。

きみはペットきみはペット

自分が纏っている学歴や外見でしか判断しない周囲とは違い、素の自分のことだけ見て理解してくれる。そんな人がいてくれるってすっごく重要。たとえなんでも奢ってくれるような彼氏がいても、自分のことを理解してくれようともしない相手だったら一緒にいても苦痛なだけだもんね。

きみはペット
モモのおかげで肩の力が抜けた?家に帰る楽しみが出来て、生活が充実してきたのがわかる。

モモは最後まで(男としては)好きになれなかった笑。スミレとくっつくエンドだったら嫌だなぁと最初は思っていたけど、でもそのエンディング自体は嫌いではなかったかな。

実はモモよりも人気のあったのがスミレの彼氏の蓮實。スミレに釣り合う三高でしかも初めての男・・・。このような“第二の男”ってお金持ちのエリートで外面は良いけど性格は最悪、みたいな安易なキャラ設定になることが多いけど、蓮實さんは違う。三高のくせに天然で、超お人よし。スミレほどではないが恋愛に不器用な所もある。スミレは蓮實さんと一緒にいる間緊張しっぱなしで自分の素を見せることなくずっと敬語で、デートは毎回お見合いのようだった。一緒にいて疲れる相手って、、、そりゃ結婚なんて出来ないよね。あのままスミレと結婚しても結局離婚していただろう。スミレがもっと心を開くべきだった。私がユリちゃん(スミレの親友)だったらスミレを殴り飛ばして蓮實さんと結婚しろ!と言ってたかもな~(笑)

きみはペット

こんな関係になる時点で終わってる・・・ そして、いかにも嫌われそうな福島、私は意外と嫌いではなかった。この漫画には絶対に必要なキャラ。

きみはペット
美人で着飾っている小悪魔キャラもスッピンは地味・・・これリアルすぎる。

きみはペット
弟に仕送りも続ける。実は苦労人。

福島はスミレと正反対な人。由緒正しき家柄出身かつ三高でプライドの高いスミレと違い、悲惨な幼少期を過ごしながらなんとか資格を取り、女の武器を最大限に活用して玉の輿に乗ろうとする福島。登場した頃は単なるお邪魔キャラの一人だと思ったけど、まさか最後に蓮實さんとくっつくとは思わなんだ・・・。でも私はくっついてくれて良かったなと思った(少数派?)。彼女も擦れているような性格の仮面を被っていながら実は蓮實さんのような芯の強い心優しい男性を求めていた。身一つで香港まで追いかけてくる一途さは、仕事のことでウンウン迷っていたスミレとは違ってとても情熱的だった。 まぁ結局蓮實とスミレはどちらが悪かったというわけではなく単に”合わなかった”だけだろう。恋愛ってそういうものだ。

最後はギャグで適当に終わらせてしまった感が否めないが、まぁ少女漫画特有の大団円って感じだった。

きみはペット

 

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